あの頃は若かった中村です。こんにちは。イライラ経験シリーズその2として、今回はワーキングメモリーと言語理解に関係した失敗例を紹介します。

歴史の授業をしているときでした。「・・・そして1972年に日中共同声明を出したんだ。・・・さらに1978年には日中平和友好条約を結んだと覚えておこう。」と説明を進めました。そして生徒のA君に確認すると日中共同声明と日中平和友好条約の西暦を入れ替えて覚えていたのでした。「1972年のほうが日中共同声明ね。両方一気に覚えようとすると逆になるかもしれないから、72年のほうだけ覚えてね。後でまた確認するよ~。」

 

授業が進み、説明がひと段落したので先ほどA君に聞いてみました。

中村「A君、さっきの確認だけど1972年といえば何だっけ?」

A君「えっと・・・日中平和・・・」

中村「あ、それ78年のほうね。日中共同声明だよ、72年は。わかった?」

A君「はい。」

中村「じゃ、確認。72年といえば?」

A君「日中共同声明。」

中村「その通り!また確認するからそれで覚えてね。」

 

このようにして覚えさせてあげようと確認を入れる私でした。さらに授業が進み、ひと段落ついたので確認しました。

 

中村「・・・ということでここまで質問あるかな。無いね。じゃA君確認ね。72年といえば?」

A君「日中平和友好条約。」

中村「えっと、違うよね。もう1つのやつだよ。何だっけ?」

A君「わかりません。」

中村「そうか、日中共同声明だよ。1回言ってみて。」

A君「日中共同声明。」

中村「そう。もう間違えないように!」

みなさん、そろそろお気づきなのではないでしょうか、中村が良くないことをしていることに。当時の私は覚える手助けをしてあげたいと思っていましたし、一生懸命でしたので、その後もまた確認を入れたのでした。

 

中村「A君、72年といえば?」

A君「日中平和友好条約。」

中村「違うよ!何でそっち言うの?そろそろ正しいの言いいなよ(イライラ)。」

A君「・・・」

A君、ごめんなさい。私がイライラしていたことも伝わったことでしょう。A君は真面目に勉強に取り組む生徒でしたし、授業にもきちんと参加していました。そんなA君は言葉の意味を理解して覚えることが苦手だったのだと思います。脳の機能で言えば、「ワーキングメモリー」と「言語理解」の部分が弱かったのだと推測します。

 

wisc5の項目の1つ)ワーキングメモリーとは

情報を一時的に覚えておきながら同時に処理する脳の機能です。この機能が弱いと聞いたことや見たことを忘れることに繋がります。この機能が強いと仕事の指示ややるべき作業が中断しても、忘れることなく実行することが出来るようになります。

 

wisc5の項目の1つ)言語理解とは

言葉を使って考える機能です。言語理解が得意だと文章を読んで理解したり、言葉を使って説明したりすることが得意になります。逆に言語理解が不得意だと語句の意味をつかみにくくなったり、自分の考えを伝えることが苦手になります。

今ではわかります。言葉の意味を理解しにくく、覚えるのが苦手な生徒がいることを。そのような生徒に覚えることを強いても無理なものは無理であることを。今なら暗記プリントを作って渡し、家でゆっくり覚えてくればいいよ、と声をかけたことでしょう。そして次回の授業で確認テスト、努力の跡が見られれば「ナイス!よく頑張ったね!!」とほめます。

こんな失敗談その2でした。いかがでしたか?ではまた!

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