比例関係が成り立つときの説明テクニック①
こんにちは、コメットセミナーの中村です。今回のブログではコメットセミナーで取り入れている学習指導のやり方を紹介します。ご家庭で子どもに勉強を教える機会がある方、参考にしていただけるかと思います。
具体的に紹介するのは、比例関係が成り立つ時の説明テクニックです。口調を授業モードにしつつ、生徒から質問が来たと仮定して説明していきます。
生徒:先生、この問題の解き方わからないので教えて下さい。
先生:はーい。問題は…「1mで40円の糸があります。この糸を5m買うと何円になりますか。」となっているね…。
(※実際に質問が出るのは分数になっていたり、速さがわかっていて移動距離を求めたりする問題ですが、ここでは簡単な問題にしてあります。)
~ 指導例 ~
先生:例の技が使えるから、説明するね。
生徒:お願いします!
先生:まず基準だけど1mで40円となっているね。そして、5mで何円になるか探しなさいという問題になっているね。
生徒:はい。
先生:ということは(以下の内容を書いて見せて)、こんな関係だね。
1m で 40円
↓
5m で 円
先生:そうしたら1m→5mになっている所を見よう。ここって何倍になってる?
生徒:5倍
先生:いいね、5倍だ(×5だ)
1m で 40円
↓ ×5
5m で 円
先生:長さが「×5」されたということは値段の40円も「×5」しないといけないね。40(円)×5はいくつ?
生徒:200!
先生:正解!だから答えは200円だ。わかった?
生徒:わかりました。
先生:ナイス!!
~ 指導例 おしまい ~
いかがでしょうか。このやり方で教えてあげると、速さがわかっていてどれだけ時間をかけると移動距離がどれくらいになるのか、仕事率が何W(ワット)になるのか…など数学・理科の解説に役立ちます。
公式にあてはめて答えを出すやり方が必要な場面のあるでしょう。そのやり方が手っ取り早く正解を出す方法でもありますが、理解しやすく公式暗記に頼らなくて済む勉強の仕方に繋がりますので、お勧めの説明方法になっています。
つづく
比例関係が成り立つ時の説明テクニック②と公式暗記について
こんにちは、コメットセミナーの中村です。今回のブログでは、説明テクニックを使って説明すれば公式暗記に頼らなくてすむことを紹介します。前回のブログでは、以下のように比例関係が成り立つ時の説明テクニックを紹介しました。
1m で 40円
↓
5m で 円
片方が5倍になっていたらもう片方も5倍して答えを出すというこのやり方、いかがでしょうか。例えば、「時速50kmの速さで4時間動きつづけると、全部で何km移動しますか。」という問題の解説も同じように出来ます。時速50kmが1時間で50km移動する速さであることを理解していることが前提になりますが、それがわかっていれば…
1時間で50km移動
↓
4時間で km移動
ということを確認し、1時間が4倍されて4時間になっているので、50kmも4倍して200km移動するということを見つけやすくなります。そして移動距離を出すための公式を覚える必要も無くなるのです。
多くの小学生は、「何km移動しますか。」と問われると「道のり(距離)=速さ×時間」という公式を使って答えを出します。手っ取り早く公式に当てはめて答えを出せるのは良いのですが、公式に頼ると速さと時間による移動距離のイメージを持たなくなり内容理解に繋がりません。また、「速さ」の単元では「速さ=道のり÷時間」「時間=道のり÷速さ」という公式も出てきますので、それらを混同したら何もできなくなります。
そのようなことを考えて生徒に勉強を教えている今日この頃です。もちろん、この教え方が絶対のものではありません。他にもいくつか説明の仕方はあり、例えば数直線を使った説明も良いでしょう。そのうちの1つとして、今回の説明テクニックが参考になれば嬉しいです。