
(今回の記事はその2からのつづきとなっています。まだ読んでいない方は下にスクロールしてその2からお読みください。)
脳の成長がほぼ終わりを迎えた中学生以降で右脳を使った思考力を鍛えることは難しいです。全く意味が無いとは言いませんが、脳が成長途中である小学生のうちに鍛えるのととは効果が違います。
ではどうすれば良いのでしょうか。やはり小学生のうちに意識的に右脳向けの問題を解くことです。例えばコメットセミナーでは以下の問題を解きます。

答えを書く時ですが、底辺と高さは垂直の関係になっていることがポイントです。1番の問題は平行四辺形内に線を書くものなので、難しくありません。でも線自体は真横に引かなければなりません。2番や3番は頂点から底辺へ垂線を下ろすのですが、その線が三角形の外に出るようになり、テキトウに引くと上手く書けないようになっています。
実際に生徒にこの問題を出すと、底辺に対して斜めになった線(垂直にならない線)を書くことがほとんどです。そこで「垂直の関係になっているということはこことここが同じ角度で90度になる必要があって…」と説明します。さらに「これくらいの角度にするとちょうど90度になるね」と見本を見せて、解き直しをします。こうすることで位置・向き・角度の感覚が鍛えられるのです。
上の画像ですが、実際に生徒が書いた垂線です。最初は斜めになった線を書いていたのですが、書いた結果を見て(ここが角度小さいな…)などと考えつつ線を消す→角度を調整して書き直す→ほぼ完ぺきに垂直な線が完成、となったのでした。

この問題をどう思いますか?
小学生では基本的に負の数(マイナスの数)を扱いません。しかし何マス右に進んで何マス上に進んだ(下に下がった)線なのかは判断できますので、1次関数の直線がどのようになるかを教えることは十分できます。数値を傾きのある直線になおすことと、その逆に直線の傾き具合を数値に直すことは右脳・左脳両方の思考を繋ぐためのトレーニングになります。

問題:上の立方体を●のついた3点を通る平面で切断します。切り口の形は何になりますか。
この問題はみなさんにも考えていただきましょう。さぁ、答えを考えてみて下さい!
・
・
・
・
・
では答えを発表しますね。
答え:五角形

これらの問題は小学校でトレーニング材料になることは原則ありません。でもそういった問題は小学生にとって普段とはちがった楽しいものであることが多いです。右脳を使うことは直感的にできることであり、感覚が新鮮でもあるのでそうなるのでしょう。立体図形を描く練習をすることで良い感覚が身に付きます。
他にも(算数の学習とは離れますが)、サッカーやバスケットボールなどの集団競技をするのは効果的です。自分と相手プレイヤーの位置を把握し、どちらへ自分が動けば良いか、どの方向にパスを出せば効果的かを自然と考えるようになります。
先のブログで紹介したゲーム「立体四目」のように空間を意識しながら勝負を楽しむのも良いです。幼稚園のお子さんに絵本を読み聞かせれば聞いた文章から場面をイメージすることになり、これも良いトレーニングになります(言語理解が進むことで左脳にも良い影響を与えます)。
いかがでしょうか。今回の記事が参考になり、いろいろなお子さんの右脳を鍛える経験が増えれば嬉しいです。そしてそれがお子さんの成長に繋がることでしょう。ではまた!