こんにちは、中村です。
今回のブログではお役立ち情報の1つとして、算数の小数計算を学習する上で避けたい勉強方法とお勧めの勉強方法を紹介します。
簡単に結論を言いますと、決まったパターンだけをずっと続けて解く学習は避けるべきです。お勧めの勉強方法は、ある程度計算のやり方がわかったら最後はいろいろなパターンが混ざった問題を解くというものです。
いくつかのパターンを学習した後には、上の画像のような混合問題を解く必要があるのです。このような結論に至るには理由がありますので、具体的に見ていきましょう。小数計算の主なパターンには以下のものがあります。
1.「1.3+0.4」「5.1-2.3」などの位がそろっているたし算・ひき算
2.「6.4×8」などの小数に整数をかける計算
3.「6.4×0.8」「6.4×0.08」などの小数に小数をかける計算 など
他にも「1+3.1」「8.9−5」などの桁数が違うたし算・ひき算、「整数÷小数」「小数÷整数」「小数÷小数」などのパターンがありますが、都合上3パターンに説明を絞りたいと思います。また、ひっ算で計算する問題とします。
1番「1.3+0.4」「5.1-2.3」
これは小数点や各位を縦にそろえて書き、同じ位どうしで計算、ひっ算の最後に小数点をそのまま下におろして打ちます。もちろん学習し始めたころに、慣れるためにこのパターンを集中的に解くことは有りです。しかし、慣れたあとも同じパターンのプリントを何枚も解くことをひたすら続けることは機械的に小数点を降ろすことに繋がります。
2番「6.4×8」
そして2番の問題もひたすら解き続けたら…。もうおわかりですね。1番と同じように小数点を降ろしてくるという間違えた考え方で小数点を打っても答えが合ってしまいます。「64×8」に対して「64×0.8」は答えが10分の1になるため、答えの数字の小数点を1つ左に移動させて小数点を打つ必要があります。機械的に小数点を降ろすことに慣れきってしまうことで、「たし算・ひき算では同じ位どうしで足し引きするから小数点の位置は変わらない」ということがわからなくなります。整数どうしのかけ算についても、基準の整数計算に小数点が入ることで「÷10」や「÷100」されて小数点の付け位置を横に移動させることを忘れてしまいます。
3番「6.4×0.8」「6.4×0.08」
そして3番のパターンである「6.4×0.8」を解くと、クセで小数点を下に降ろして「51.2」と答えてしまいます(正しくは5.12)。「6.4×0.08」のパターンになるとひっ算になっている時点で小数点が縦にそろっていないのでどうすれば良いかわからなくなるかもしれません。
どうでしょうか。他のパターンも含めて小数計算は計算の仕方が少しずつ違っています。それを決まったパターンだけをずっと続けていくと、何も考えずに機械的に作業をするだけで理解をともなった計算にならないのです。計算のやり方を理解して慣れたらいろいろなパターンが混ざった問題を解くと良いです。ひっ算になっていない横並びの計算を進めていくのも効果的です。
このような問題であれば、足し引きする時は同じ位どうしでする、かけ算では小数点を横に移動させて打つ…ことを区別しながら解き進めていきます。間違えたりわからない時は説明して理解してから解き直せば正しい解き方が定着します。
上の画像は「100÷0.5」の解き方について質問がありましたので説明し、解き直したものです。きちんと小数点を移動させて打っていますね。実際の指導としては2分で解かせています。正答率と正答数の推移を見ており、この問題を解いた生徒は最初は2分で5問正解だったものが最近は14問正解するまで伸びました。
いろいろなパターンを解くことでそれぞれの正しいやり方が身に付く→慣れるとどのようなパターンでも早く正確に解けるようになるのです。こんな学習をする生徒さんが増えてくれれば嬉しいですね。
参考まで。ではまた!